シチズンは、1989年を【電波腕時計】の開発元年として、誤差を修正する必要のない正確無比のウォッチを作りました。そして1999年、日本の標準時刻電波の本格的送信運用が、福島のおおたかどや山から開始されたのです。そして、それを逆転の発想で克服し、1993年、世界初の多局受信型【電波腕時計】を作ったのです。さらに2004年、少し大き目の【電波腕時計】が欲しいという要望に応え、薄さ6.82mmの薄モデルが登場したのです。このデザインの【電波腕時計】は、まだまだ市場には受け入れがたいもので、やはりアンテナの小型化の成功がカギを握っていました。しかし、【電波腕時計】は、腕時計としてのフィット感や使用感は、かなりの向上を見せました。

【電波腕時計】と言えば、シチズンで、ムーブも自社生産しているので、その実力は本物です。そして、この年に九州局のかがね山が開局し、これで【電波腕時計】は、日本全国どこでも受信が可能になったのです。これで、止まらない、狂わない、の薄型【電波腕時計】を実現して、大きく前進しました。この【電波腕時計】は、アンテナの美しさを文字盤の表面に露出させていて、その大胆なデザインが人気になりました。【電波腕時計】はその後、2001年に、ようやくアンテナの小型化に成功して、憂き目をみることになったのです。

翌2002年の【電波腕時計】は、裏蓋か金属ではまだ電波の受信に障害があったことから、まだ厚みもあり、裏蓋はプラスティック製でした。【電波腕時計】は、満を持しての販売でしたが、やはり本来の腕時計の姿は、自然な厚みで、そのためには、フルメタルケースが至上命題となったのです。そして2003年、ついに金属の裏蓋のフルメタルケースの薄型の【電波腕時計】が誕生したのです。そして、この薄型【電波腕時計】は、Eco Driveを搭載していて、九州、福島、両局自動受信を実現しました。それにより、初めて従来の腕時計と遜色の無いデザインとの融合が、【電波腕時計】で可能になったのです。

【電波腕時計】自体も大きく、そのフィット感や快適な使用感は、多くの人から評価を受けました。このことで、【電波腕時計】の普及には、条件が整って、開発が追いつくことだけが求められることとなったのです。その後、1997年、アンテナの小型化のめどが立たない策として、アンテナを【電波腕時計】側部に配置することで、本体のサイズを普通にし、使用感やフィット感を増しました。そして、自社開発したのですが、【電波腕時計】の受信感度が問われるアンテナは、金属のケースや部品が出す微弱な電波に影響を受けるので、難しい問題でした。1993年の【電波腕時計】の開発当時は、まだ標準時刻電波の受信用ICは日本にはありませんでした。


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